北アルプス  常念岳〜燕岳〜大天井岳〜常念岳

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2005年8月4日夜から8日まで5日間、北アルプスの燕岳〜大天井岳〜常念岳に行って来ました。

行程は次の通りです。

1日目  : 乗用車にて夜出発
2日目  : 早朝 豊科町着――中房温泉 登山口――合戦小屋――燕山荘キャンプ場テント泊
3日目  : 燕山荘――燕岳往復――大天井岳――常念小屋キャンプ場テント泊
4日目  : 常念小屋――常念岳――前常念岳――三股――白馬オートキャンプ場泊
5日目  : 朝 大阪に向けて帰路につく


8月4日の夜に友人2人と僕の3人で乗用車に乗って北アルプスに向かった。運転を交替しながら翌日の午前4時頃に長野道の豊科に到着。コンビニで朝食用の食料を買った後少し仮眠。その後、タクシー会社に行き車を預け(豊科町近代美術館の無料駐車場)、タクシーに乗って登山口にある中房温泉まで行った。到着後、朝食をしてから今日の目的地である燕山荘に向かって出発した。とにかく、目的地までは殆ど上りばかりでくたくたになりながら途中何回か休憩をとり中間点の合戦小屋までたどり着いた。合戦小屋では、昼食の焼きそばを食べた後、小屋には珍しくスイカが売られていたので購入して食べた。(8分の1切りで800円)山でスイカを食べるのは初めてであるが、大変美味しく感じた。とにかく、喉が渇いているので尚更その美味しさが引き立つのである。午後3時頃に燕山荘に到着。キャンプ場は一杯であったが、どうにか我々のテントを張る場所を確保することが出来た。ここのたどり着くまで、かなり苦しかったのであるが、とにかく必死で周りを見る余裕すらなく、ただひたすら息を切らしながら汗をかきながら登っているだけという感じで、たまに山でしか見ることの出来ない感動的な景色を見るのであるがあまり印象に残らないのである。だから、ただしんどいだけの山登りなんて意味があるのかどうか考えさせられる。それとも、自分自身が年をとって感動する心が薄らいでいるのであろうか。だから、今後は感動の残るような余裕のある山登りを考えていくべきだと感じた。 夕食までに時間があるので少し仮眠を取った。 夕食は、フリーズドライのドライカレーであった。今回は、全荷物をかついでの縦走となるので出来るだけ荷物を軽くするために食事はすべてフリーズドライ製品にした。フリーズドライ製品にしては美味しいがやっぱりもの足らない。夕食後、しばらくウイスキーを飲みながら談笑した後、寝た。テントを張った場所が、平らでなく足下が下がっていたので、夜中に寝返りをうつ毎にすべりそうで熟睡出来なかった。
3日目は、午前5時頃に起床。山は、朝の早いうちは晴れて見晴らしが凄く良いが、しばらくするとすぐにガスがかかり周りの山が見えなくなることが多い。この日も例外に漏れずそんな感じであった。朝食後、すぐに燕岳に登ったが、周りはガスがかかって何も見えず残念であった。

  
     奥に見えるのが燕岳 海抜2763メートル              燕岳山頂    右側は友人

燕岳から下山後テントを片付けて今日の目的地である大天井岳に向かった。今日は、昨日と違い多少アップダウンがあり少し楽であったが、僕は両膝の調子が悪くいつも下りには苦労している。だから、上りは息が切れて苦しいものの何とかついていけるのであるが、下りの場合は膝の関係でかなり遅れてしまう。4月から5sほど体重が減ったので多少ましかもしれないが、とにかく他の二人に遅れまくった。とにかく、山の天候は変わりやすく大天井岳に行くまでガスがかかっていて周りは何も見えなく全くつまらないものであった。山に来てガスのために周りの景色が見えないのは、昔のコマーシャルではないが「クリープを入れないコーヒーなんて」という感じである。大天井岳の麓の大天井小屋に到着して荷物を置いてから大天井岳に登った。やっぱり残念ながら周りはガスがかかって何も見えず日頃の自分の行いが悪いのかと悔やんだ
  
       大天井岳頂上 海抜2922メートル                背後に槍ヶ岳が見える

大天井岳から下山後、軽い昼食をした後、今日の最終目的地である常念小屋に向かった。途中ガスが消えて束の間、周りの景色が見えることがあったが、上の写真のように槍ヶ岳が見える非常に景色の良い場所があった。この場所は非常に印象に残っている。常念小屋まで行く途中は、遠くの山は見えないものの正面に明日登る常念岳が正面に見えたり、なだらかな斜面に高山に生える低い松(何の松か知らない)が覆っていて非常に雄大な景色であった。常念小屋まで後わずかなところまで来たところで雨が降り出した。本当に山の天気は変わりやすいのである。なかなかやみそうにないので仕方なくカッパを出して着た。常念小屋に着く頃には、雨がやんでいた。常念小屋キャンプ場は、すでに一杯で仕方ないので小屋の了承を得てキャンプ範囲内を少し超えたところにテントを張らして貰った。今日の夕食は、フリーズドライ製品の炊き込みご飯であった。それから、昼に食べる予定をしていたチキンラーメンを食べなかったのでそれも食べた。結構お腹一杯になった。今日もやっぱり地面が傾いており、昨日と同じく寝返りをうつたびにすべっていた。そんなことでやっぱり熟睡出来なかった。山に登った時は、熟睡したことはないが、うとうとしながら夢をよく見ている。そうしながらでも結構寝ているのかもしれない。しかし、熟睡するには、自分の家ほど良いところはない。結構僕は神経質な方で、旅行などに行くとなかなか熟睡出来ないのである。また、寝床は、ベッドが苦手で海外旅行などへ行ったら必ずベッドなので余計に熟睡出来ない。家では、もちろん畳の上に布団であるが、ベッドも慣れかもしれない。少し余談になったが、夜9時頃に寝て翌日は午前5時頃に起きた。
  
           右側の山が常念岳             常念小屋に向かう途中の斜面に生える松の中を歩く

やっぱり例外に漏れず、山の早朝は天気がよい。ガスがかからずに周りの山がくっきり見えて実に気持ちの良いすがすがしい朝という感じがする。常念小屋キャンプ場から槍ヶ岳がはっきり見えた。朝食後テントをたたんで、今日の目的地である常念岳に向かった。キャンプ場の前の山である。頂上は見えないが手前の峰が見える。それほど距離はなさそうである。行程は、あまり木は生えておらず、どちらかというと富士山に登るような感じである。もちろん富士山ほど殺風景ではないが。今日までの2日間もそうであったように今日も実によく水を飲んだ。飲んだ分すぐに汗になって出る。だから、休憩して水を飲んだ後、歩き出すとすぐにまた口がからからになり、喉が渇くのである。しかし、小便にはあまり行かない。汗で出るから小便がたまらないのであろう。とにかくこの3日間は、かなり水を飲んだであろう。そして、その分汗をかいたのであろう
  
  常念小屋キャンプ場にて バックに槍ヶ岳が見える         常念岳頂上 海抜2857メートル

1時間ほどで頂上に着いた。頂上では天気が良くて周りの景色がよく見えた。燕岳、大天井岳ではガスがかかって何も見えなかったが、最後に天気で良かった。山に来た甲斐があったというものだ。遠くに見える山の上に多少雲がかかっているが、問題はなかった。しばらく頂上でゆっくりしてから下山した。今回の登山は、常念岳を最後に後は下るだけとなった。下る途中で、雷鳥の親子がおり、比較的人になれているのであろうか、かなり近くまで寄ることが出来た。雷鳥は、保護色を持っており、夏は岩のような色をしており、また冬は、雪のように真っ白な色になる。 雷鳥の親子を見てからは、予期もしない今回登山の過酷な行程が始まった。距離にして5キロメートルほどを1.5キロメートルも一挙に」下るのである。下りが苦手な僕にとってはまさに地獄である。もちろん友人2人からは、引き離されるし、険しい岩がごつごつして溝がいっぱいある部分もあるし、勾配もきついし、下りばかりであるし、両膝は悲鳴をあげるし散々なめにあった。足、膝が疲れてきたらバランスが悪くなり何回もひっくり返りかけた。生きて帰れるかとも思った。いつもながらに、足に豆は出来るし、足の詰めは一部内出血するし、リタイアしたいとも思ったが、そんなもの出来ないのである。とにかく、我慢して下全するしかない。ぼやいても始まらない。やるっきゃないのである。途中からごつごつの岩の道から土の道に変わった。そこから、友人の2人が気を遣ってか、僕に前を歩けと言うのである。僕のペースに合わせてくれたのである。こうした方が、かえって早く下山出来るのである。一番後ろだとマイペースになりすぎて遅くなりすぎるが、前であると後ろから追い立てられるようになるので、無理してでも速く歩くようになるのである。人間の心理なんておかしいものである。人間は、相対的にある程度プレッシャーがかかった方が良い結果が生まれるようである。やっぱりある程度気持ち的にピーンと張りつめている方が良いのである。あまりマイペースでも駄目なのである。かといって張りつめすぎても駄目である。その辺のバランスを巧くとる必要がある。今回の下山でそんなことを感じた次第である。四苦八苦しながらでも何とか無事下山することが出来た。下山場所にタクシーを予約してあったのであるが、1時間半ほど遅れてしまった。 タクシーで大阪から乗ってきた車の置いてある場所まで行った。 タクシーを降り、その車に乗って、今日の目的地である白馬のオートキャンプ場へ向かった。途中あいにく雨が降りだしてテントを張るのが大変だと思ったが、何とかテントを張り終えて、近くの温泉に行き一風呂浴びた。登山後の温泉はとにかく最高である。温泉に入ると筋肉の疲れが心地よくとれるようで実に気持ちがよい。登山後の温泉は、登山とは別の楽しみの一つとなっており大好きである。 温泉を出た後、スーパーに行き夕食の買い出しをして、テントに戻って打ちあげ乾杯をした。
  
             雷鳥親子                             無事下山

翌朝7時頃に起床した。朝食後テントをたたみ、すぐに帰路についた。途中、名物のわさび漬けを土産として買ってかえった。
今回の登山は、予期しない長い下りのために、いつも以上に苦しい思いをし、もうこれで、登山は最後にしようと思った。登る気はあっても両膝がついてこないという感じである。とにかく問題は、両膝にある。これさえクリアー出来れば体力的には十分対応出来るのであるが。色々対策を考えていきたい。